社員ブログ

Upheaval

19110501

今年の「世界経営者会議」で最も聴講したかった、ジャレド・ダイアモンド氏の最新著書「危機と人類(上・下)」を読了。これまでも「銃・病原体・鉄」、「文明崩壊」、「昨日までの世界」(各上下巻)など、世界中で翻訳され問題提起をし続けてきた、氏の研究成果をまとめた作品群。生物学を専門に人類史を語り、文明の勃興や分岐点や衰退を描き、現在の世界の成長とありようを、地球規模のスケールで考え続けて来られました。

そのダイアモンド氏が今回の著書では、「危機を克服した7つの国の事例」から、世界のこれからの姿を見通し提言を行っています。7つの国とは、フィンランド(ソ連と隣接する小国)、チリ(軍事クーデター後独裁)、インドネシア(軍事クーデター失敗・大量虐殺)、ドイツ(ナチスの負の遺産)、日本(明治維新と現在の政治・財政)、オーストラリア(英からの分離)、アメリカ(現在の政治)。いずれも各国はどのように乗り切ったのか。

ボリュームのある本ですが、これだけの国のことを書けば、一国あたりのウエイトは減る。だからどうしても、ちょっと簡潔にまとめすぎ?という感がなくもないですが、これらの国の近現代史をザクっと知るという主旨だけでも、読む価値あり。特に今回は、日本のことが「2章」に亘って扱われており、米国出身で6か国語を操るUCLA教授のダイアモンド氏から見ると、日本の明治維新はどんな風に映るのか、その辺興味津々でした。

例えば日本で明治維新を学ぶと、必ず人物にスポットが当たります。西郷、大久保、坂本、木戸等々。でも氏が名を挙げた日本人はほぼ一人。誰だと思います?答えは岩倉具視。なぜかと言うと「岩倉使節団」があったから。例えばアメリカは世界一の経済・軍事大国だが、他国に学ぶという姿勢がない。明治日本は必死に他国に学び短期間に成長した、という視点。「12項目」の現状分析は、個人や国だけでなく企業にも通用しそうです。気候変動、格差拡大、思考多様性など、原題「Upheaval」(激変)の時代に、私達は既にいるのだと。

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