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漫画『ビースターズ』が凄い。

部屋にある漫画をいったん整理しようと思って、本棚にあった漫画を一度出してみた。『ビースターズ』という作品が全館揃っていて、これらを実家に送ろうと思う。この漫画はとても面白くて、手放すのが惜しいけど、新しい本を入れるためにはやむなしだ。

この作品の登場人物は皆動物で、陸上の生き物は全員二足歩行する人間のように描かれている。(海洋生物は割とそのまんまで、地上と海洋で言語が違うという設定は面白い。)
主人公はハイイロオオカミのレゴシ君で、彼は高校生である。
彼は仲の良いアルパカの同級生が何者かに食い殺される(この世界では「食殺事件」というらしい)ことを受けて、その犯人を捜そうと動き出すのだが・・・。

あらすじだけ聞くとサスペンスだが、この作品のジャンルは青春ものである。
この作品の世界には「肉食獣」と「草食獣」の両者が共存している、という建前で皆が生活している。
肉を食べるのは重罪で、肉食獣たちは草食動物を食べる以外の食事をして生活している。しかし、隠れて肉を食べるものもいるのもまた事実で、そんなちぐはぐな世界で、純情まっすぐ頭でっかちなレゴシ君はたくましく生きていく。
彼が好きになった相手はウサギの女の子で、彼は彼女と生きたいがゆえに自身の肉食の欲望を捨て去るために修行したり(この世界で肉食獣と草食獣の異種族結婚はかなり特殊な部類に当たる)、同級生を殺した犯人を見つけるために奔走したり、戦う力をつけるために鍛えたりと、とにかく忙しい。
とにかくひたむきで、そんな彼の姿が痛々しく、愛おしく思えてくる。

この世界の人々(?)は本当にいろいろで、犬・猫・虎・ネズミ・象・ハイエナ・アルパカ・・・キャラクターの幅に枚挙にいとまがない。
彼らは彼らの事情があって、それぞれの世界で心地よいところを見つけて暮らしている。
同種族同士の結婚は常識で、それにもがいているレゴシ君の姿は、なんだか勇気づけられる。
「人と違っていい。」
彼は必死であり、それゆえ活き活きしていてまぶしい。

ここまで多様性についてわかりやすく、かつ社会派的に描かれた作品を、僕はあまり知らない。

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