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唇に髭が生えているのか!?

先日、留学してい頃の現地の友人から連絡をもらい、お互いの共通の知人のことが話題になった。
その知人の顔がどのようなものだったかを話し合ったときに、その友人が
’his upper beard lip…’
といったものだから、え、「上唇」にひげが生えてたっけ?と少々驚いた。
実は、’lip’と書いているが、鼻の下に生える髭の位置を’upper lip’というらしく、日本語の「上唇」より広い範囲を指すらしい。
言語によって指定される部分や範囲が異なる例は多い。

日本語に、蝶や蛾という昆虫を指す言葉がある。
フランス語でこれに該当する言葉が「パピヨン」であるが、パピヨンで日本語でいう蝶と蛾を括って言ってしまえる。
おそらく、フランスでは「蝶」や「蛾」の区別に意味がないのだろうと思う。

他にも水に関して、日本語では「お湯」「氷」「つらら」など状態変化した水そのものにそれぞれ名前があるが、英語で’hot water’ や ‘ice’ など該当する言葉があるとはいえ、わざわざそのようには言わないらしい。
’water’ は状態が変わろうが’water’ だという。いる意味、潔い。
「つらら」に該当する言葉はなく、日本語ではこの区別に意味があると思われたからこのように現代にも残っているのだろう。

言語は世界を切り取っていて、名前がまさにそこに存在するそのものとして浮かび上がらせていることを、外国語を学んで実感できる。
世界の切り取り方は自分の所属する言語圏・文化圏を比較してからやっと分かってくる。
そこが面白い。

ちなみに、その知人の唇には若干ながら髭が生えていた。
じゃあ「唇」に髭あるんじゃないか…。
言語感覚に振り回されない日はまだ遠い。

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