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「自分、息吐いてもいいっすか?」

朝、ニュースを見ていたら住友林業が国内外で大規模な森林の保護や管理を行う新たなファンドを設立するという発表をしていた。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220215/k10013484211000.html)
資金を集めて森林を国内外で保有し、古い樹木の伐採や植林なども行っていくファンドで、ゆくゆくは削減できた二酸化炭素の排出量を「クレジット」として、ファンドの保有者に分配していく、というらしい。
日本では、二酸化炭素排出量の規制の推進も相まって、目標排出数値より低い排出量を達成することにより、その余った「可能排出量分」を「クレジット」として他の企業に販売することができる制度ができつつある。(J-クレジット)
要は、たくさん二酸化炭素を出す所は、排出量が少ないところから排出枠を購入することができる…らしい。

温室効果ガスを削減して、環境保護に貢献という取り組みの一環なのだろうけど、なんだか不思議な気分になる。
「自分のところは排出量が少ないから、余ったクレジット売れるな」
とか
「自分ところはたくさん排出するから、枠を買わなきゃいけないな」
とか、そんな概念が普及するというのは、どのような気分なんだろうか。
もともとは「なかったもの」を「新しい基準に」よって生み出されていくのだ。

いつか、生き続ける限り二酸化炭素を吐く自分たちにも、排出制限がかけられる日が来るのだろうか。
「呼吸権」なるものが設定されて、この権利を確保するために「呼吸税」なるものを払わなければならなくなる日が来るんじゃないかと心配になる。
「君は僕よりたくさん二酸化炭素を吐くんだから、もっとお金払えよ。」
という言葉が飛び交う世界が来るとしたら、ディストピアだなぁ、と思う。
きっと杞憂に過ぎないけれど。

今のうちに、たくさん息を吸っておこうか。
すぅっと、僕は深呼吸をしたら、いつもより新鮮な気分になった気がした。

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