社員ブログ

親鸞を読んで

昨年新聞に連載されていた五木寛之の「親鸞」が本になったので読んだ。
予てから我が家は浄土真宗でありながら、拙宅が過って山科本願寺があった地にあり、
八世蓮如の事については色々と調べたりして知っていたが、宗祖親鸞については良く
知らなかったので、親鸞についてもう少し詳しく知りたいと思っていた。
五木の「親鸞」は架空の人物が登場するフクションであるが、大変面白くあっという間に
読み通した。
時は平安末期から鎌倉初期、飢饉や戦乱で荒廃した世の中で、生きるためには大なり
小なり罪を背負い、希望を失った人々が、地獄に落ちる恐怖に脅かされている時代に、
仏を信じ念仏を唱えるだけで十悪五逆の者でも浄土へ行けると説いた教えに救いを求め
た世相と、苦労を重ね叡山に上った少年~青年時代の親鸞が、修行を重ねても見出せ
なかった仏を法然の他力本願の教えにより開眼する様子が描かれている。
時が流れて今日、物質的な豊かさは比ベるまでもないが、社会に繰り広げられる信じら
れないような犯罪や事件は、当時と同様人々は心の病に犯されているかのようだ。
政治や経済界にリーダーが見当たらない今日、改めて宗教者の役割が必要な時代かも
知れない。

ログイン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*