Three Cups of Tea
全米で360万部突破のノンフィクションのベストセラーなので、読まれた方も多いと思います。
ある講演で知り早速購入し読んだ。 その結果、アメリカがテロとの戦いの標的にしている
イスラムの人々に対する考えが少し変わった。
カラコラム山脈のK2登頂に失敗し、道に迷った挙句たどり着いた貧しい村で助けられた事が
きっかけで、国・政府が何の援助もしてくれない偏狭の村に学校を建て続けるアメリカ人・
グレッグ・モーティンソンがいたのである。
パキスタン北部は中国・インド・アフガニスタンと国境を接し、言葉も異なる多くの部族が暮ら
しているが、みんなイスラム教の元に生活をしている。貧しく無学な故にアラブのオイルマネ
ーによって造られる過激なイスラム原理主義的思想のみを教え込まれる神学校に入り聖戦
士となっていく若者がアメリカに敵対心を抱く構造になっているらしい。
モーティンソンはその土地の子供たちの生活を豊かにしようとして学校を建て始めたのである
が、結果的にはテロの原因が無学にあり、学校をたてることが武力によらずテロを抑止する
ために役立つことを知り、命がけのライフワークとしたのである。
彼の行動を通じ、殆どのイスラムの人々は平和な生活を望み「インシャッラー(すべては神
の思し召しのままに)」を旨に、1杯目のお茶は突如訪れたよそ者にでも与え、2杯目は共
に力を合わせる友人に、3杯目はずっと寄り添ってきた家族もために与える民族である。
モーティンソンはその様な敵地にあっても3杯目のお茶をいただけるまでに信頼された一人
のアメリカ人であった。
読み終わって久し振りに感激した本であった。一読をお勧めします。