陽光の旅⑤ ナポリ
ナポリ2日目。イタリアにもだいぶ慣れてきた。この日はフリータイム。
タクシーでドゥオモへ。最もナポリらしいと言われる旧市街にあるこの教会は、5月と9月の
ある日にガラスの容器のなかで固まっている聖人の血液が液体になるという「サン・ジェンナ
ーロの奇跡」があると言われている。残念ながらその日では無かったので確認出来なかった。
ドゥオモを出て、ナポリを半分に割るという意味のスカッパ・ナポリのトレド通りを散策。
細い石畳の両側に古い建物がひしめき合い、庶民の活気溢れる下町だ。スリや引ったくりが
多いので要注意の地域だと聞かされていたので、用心はしていたが、所々ポリスの姿が見ら
れ、全くその様な目には会わなかった。
途中にサンタ・キアーラ教会がある。教会裏には陶板の柱やベンチで彩られた美しい「クラリ
ッセの中庭」がある。チケット窓口でその陶板のベンチに腰をかけて写真を撮ってはいけない
と厳重に注意された。中は静寂そのもの。陶板も美しいが中庭に植えられたレモンや野菜
畑、取り囲む建物のフレスコの壁画も素晴らしかった。
近くのモンサント駅からフニコラーレに乗ってヴォーメロの丘へ向かう。フニコラーレとはケーブ
ルカーのことだ。「フニクリ・フニクラ」の意味がなんとなく分かった。
サンテルモ城に行き、エレベーターで屋上の見晴らし台に登ると、ナポリの町は勿論のこと、
ヴェスヴィオ火山やナポリ湾からカプリ島まで一望出来る。スカッパ・ナポリの一直線のトレド
通りも良く分かる。しばし見とれる。
昼食後、今度は別のフニコラーレでウンベルト一世ガレリアの方に降りる。ケーブルカーのチ
ケットはトラム・バス・地下鉄などの公共交通機関と共通で90分間乗り放題 1.2ユーロだ
が、昼食などに時間を費やしている間に時間が経ってしまいまた購入することになった。
このガレリアもミラノにあるものと同じく19世紀末に建築され、ガラス張りの天井やショッピン
グの店などそっくりだ。
ナポリ王8人の彫像が並ぶ王宮やプレビシート広場を抜けホテルまで歩いて戻る。
最後に、ホテルから見慣れた卵城に足を運ぶ。
12世紀に造られた要塞のような城からの眺めも素晴らしく、「ナポリを見て死ね」とはこの
城から見たナポリの風景だと言われている。
夕食は、海岸通りのレストランでにぎり寿司を食べる。にぎって居るのはタケトミという日本
人だそうで、新鮮なナポリのネタはなかなかのものであったが、ワサビやガリはどうも。