社員ブログ

下山の思想

昨日の書いた入院中に読んだ本の感想です。
先ず1冊目、五木寛之著「下山の思想」です。
日本が戦後の荒廃から、欧米先進国を目標としてわき目も振らず懸命に働き、遂には
米国に次ぐ二番目の経済大国に成長することが出来た。但しその副作用として、政治、
福祉、教育、道徳、環境など様々な課題を犠牲にしたところが今にして現われて来た。
登山には、頂上を目指してひたすら登ること、そして頂上を極めること、更に無事麓に
下山することが出来てはじめて成功とされる。
日本は、頂上を極めた。次は下山となるのが当然なのである。下山とは何だかマイナス
のイメージがあるが、ただ単に衰退、低迷、縮小の下山ではなく、登頂するために多くの
研究開発、技術革新、蓄積をしてきたのであるから、登る前の惨めな状態に戻るのでは
なく、もっと豊かな麓に辿り着くことであり、更にただ頂上を見つめての登りと違って、
下山の時には、足元に咲く綺麗な高山植物や、遠く連なる峰々、更には大海原までも
眺めながらの心豊かな足取りの筈であり、広い見識を身に着け成長しての帰還であり、
次の登山への出発点であると説かれている。
私はこれを読んで、人の一生を思った。年をとった勢かも知れない。
人生の頂上は50~60歳であろう。とすると私は明らかに下山をしていることになる。
これは、体力、気力や欲の衰えから感じる事が出来るので、今更言うことでもないが、
本書では下山時には見識を広め、心豊かになれるとある。ということは、これからも
周囲に目を配り、見識を広めていけば、第二の人生を目指して再び成長して行けると
いうことであり、何だか自信が湧いてきた。

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