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ゴッホ展と無鄰菴

ゴールデンウイーク前半は家でのんびり過ごそうと思っていたが、余りにも爽やかな天気なので、京都市美術館で開催されている「ゴッホ展」に出かけた。入口はさほど混んでいる様子ではなく直ぐに入ることが出来たが、中は結構込み合っていた。「空白のパリを追う」というテーマで開催されており、オランダの美術館が所蔵している作品で、私がこれまでに知っていた作品は「グレーのフェルト帽の自画像」くらいで、昨年旅行したフランスのアルルやパリでの有名な作品を期待していたがそれはなかった。しかし説明に書かれていた初期の薄塗りの作品からゴッホ独特の厚塗りの作品への移行、変化の様子は興味があり勉強になった。
出展数が少なく早く見終わったので、近くにありながら行ったことがなく、以前から一度行ってみたいと思っていた「無鄰菴」に行った。山県有朋が明治時代に別荘として自ら設計・監督し、造園家・七代目小川治兵衛が作庭した庭園を有する菴で、その庭は国の名勝に指定されている。簡素な数寄屋造りの母屋と茶室の他に煉瓦造り2階建ての洋館があり、ここで日露開戦直後に元老山県有朋、総理大臣桂太郎、伊藤博文、小林寿太郎の4人によって我が国外交方針を決める「無鄰菴会議」が開かれたらしい。
今は京都市が管理しているが、訪れる人も少なく、疏水の水を取り入れた小川のせせらぎを聞きながら、絶妙に配置された楓の新緑を眺めていると、岡崎、南禅寺界隈の喧騒を離れて、静かな穏やかさに包まれているようであった。

ゴッホの絵画と小川治兵衛の庭園というジャンルの違う創作物ではあるが、見る人を引き付けてやまない作品は、芸術に共通する魅力を持っているのだと思う。

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