陸奥へ
連休の混雑が終わってから東北へ行った。仙台空港からレンタカーでかなり広範囲を走った。
海岸から離れた地域だったので、地震・津波の被害跡は殆ど見受けられなかったが、当時の様子を聞くとそれはそれはすごい揺れであったと返事が帰ってきた。
先ずは平泉の広大な毛越寺から中尊寺へ行く。かなり前に社員旅行で行ったところであるが、中尊寺に行くのにあんなにきつい登り道であったという記憶はなかった。当時は若かったのかなあ。世界遺産に登録されて改めて金色堂や宝物を見ると、やはり大したものであることが解る。
翌日は蔵王のお釜まで登り、裏磐梯を抜けて会津若松へ向かった。当日仙台地方は深い霧に包まれていたが、落葉樹が美しい新緑に装った山道を登っていくと上は快晴、山肌は雪に覆われ、車道の両側にも雪の壁が出来ていた。お釜の展望台に着くと強風が吹き付け体が飛ばされそうであったが、雲海の下界を見下ろし、赤黒い溶岩と真っ白い残雪の中にコバルト色の水をたたえた火口の景色は最高に美しかった。
更に車を走らせ裏磐梯に向かう。ここもまだ子供が小さかった頃来たことがあり、その時泊まったホテルに立ち寄った。建物の裏には池の向こうに雄大な磐梯山が昔と同じように眺められ、ようやく咲き出した桜とこぶしの花が出迎えてくれた。
その日の泊まりは東山温泉の旅館「向瀧」である。野口英世など多くの著名人が愛したこの旅館は有形文化財に指定されており、評判の老舗旅館である。それ故に斜面を利用して建てられているが、エレベーターなどもなく階段の上り下りは年寄りには大変である。しかし流石にそのもてなしや料理はこの上もなく逸品であった。
翌日は会津の町を散策。TV大河ドラマの影響でどこに行ってもハンサムウーマン八重さん一色であり、多くの観光客で賑わっていた。町のあちこちに建てられた「什の掟」の高札の通り、出会った地元の若者は礼儀正しく親しく挨拶をしてくれた。
ロータリークラブの震災支援で知り合った福島の多くのロータリアンから是非東北に来てくださいと言われていたこともあって今回訪れたのであるが、現地の人たちが逞しく頑張って居られる姿を拝見して、改めて我々も元気を抱かせてもらったように思う。