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ドイツ出張:その3

先週のドイツ出張の感想を引き続き書かせて頂きます。今回、ドイツの電力政策について思ったことをまとめようと思います。

近年、ますます注目を集める再生可能ネルギーには次の種類があります。それは、水力エネルギー、地熱エネルギー、バイオエネルギー、風力エネルギー、太陽エネルギー、海洋エネルギーの6つです。この再生可能エネルギーにとって最大のライバル的な存在と言えば、原子エネルギーです。出力キャパシティーの割に相対的にクリーンなエネルギー源といった点で圧倒的な支持を得ていた原子エネルギーの唯一の弱点は安全性でした(実は、核廃棄物などが貧しい国にこっそり送られることからクリーンという点も疑わしいでしたが)。再生可能エネルギーに対して圧倒的に勝るはずだった原子エネルギーは、今回の福島原発事故で安全性に関して大きな騒動を巻き起こします。世界中から注目を集め、各国で原子力発電所は廃止に至りました。当然、各国のエネルギー政策は再生可能エネルギーに向けて舵をとります。

今回、約一週間のドイツ出張でこのテーマを身近で感じる機会がありました。上限速度が存在しないドイツの高速道路「Autobahn」で走っている際に3枚の写真を撮れました。写真で写っているような風力発電所とソーラーファームをドイツの至る所で見かけます。

やはり、再生可能エネルギーを大切にしているようです。そして、出張最終日先日の移動中に出会ったのは原子力発電所でした。

運転中のドイツ人に聞けば、やはり稼働停止となっていると言います。その理由は、3.11でした。被災国である日本ではまだ原子力発電所は稼働中であることをドイツ人の彼に言うと、やや驚いた様子でした。それは、そうでしょう。直接被害を受けていないドイツでも稼働中止を決定していますから。しかし、急に原発を稼働中止すればせっかく新政権で立ち直ろうとしている日本経済の先行きが不安定でしょう。

短期的な視点で見れば、事情があっての再稼働ですので原発反対派はきっと理解してくれていると思います。一方、長期的な視点からすれば政府当局は再生可能エネルギーの道へ舵をきらざるを得ない状況であることには違いありません。

 

One Response to “ドイツ出張:その3”

  • 奥村 博之 says:

    ドイツの環境への関心の高さは、もう何十年も前に緑の党が生まれて、一定の勢力になっていることからも知ることが出来ますが、報告で実感が高まりました。日本人もひとりひとりが次世代のために、責任もって意見を交換できるようにならないといけないと思いました。貴重な情報ありがとう!

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