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等伯の大作に遭遇

先日天気が良いので寺ノ内堀川にある宝鏡寺に人形展を見に行った。以前から一度行きたかった寺で、皇室所縁の宮門跡で、皇女和の宮が幼い頃しばしば訪れ、宮中遊びをした所と聞く。境内には江戸後期の雛人形が多く飾られ、宮中での雛飾りも再現されていた。
近くに表千家の不審庵、裏千家の今日庵がある小川通りがあり、詫びさびが漂う雰囲気を味わい引き上げる予定だったが、今日庵の向かい側に立派な寺があり、長谷川等伯大涅槃図開帳と書かれてあった。これは見ない訳には行かないと早速中に入って行った。本法寺という日蓮宗の本山で、昨年読んだ本に能登から上洛した等伯が世話になった寺がここであることにその時気付いた。仏涅槃図は縦10m、幅6mの大画面で、吹抜けの2階天井から吊り下げてあった。等伯晩年の1599年に描かれたとは思えない鮮やかな色彩で多くの弟子や動物までもが悲しむ中に悟りきった姿で横たわる仏を描いた作品にはしばし目が離せなかった。

  本法寺本堂前に佇む等伯の銅像

更にその近くの妙蓮寺にも等伯の絵が公開されているというので、そちらにも足を延ばした。
こちらで公開されているのは障壁画で「鉾杉の図」である。咲き誇る花をバックに力強く濃い緑で描かれた杉の雄大さには目を見張る思いである。遠くには能登半島を思わせるかき込みもあり、故郷に想いを馳せる等伯の心中が察しられる。
雛人形の展示を見ようと気楽に出かけて来たら、思いもよらず素晴らしい等伯に出会えて何だか得をした気分の一日であった。

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