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捨てよう、捨てられない、選べない。

先週の日曜は部屋のしっかりと掃除した。冬用のラグやフリースの布団を洗濯して夏仕様に変えた。今まで冬用だったのかというズボラさが祟って、部屋の中が熱くて方がなかったのだ。
掃除をしようと思っていなくても、割と大掛かりな模様替え(ズボラなだけである)をすると、ついでに掃除もやってしまおうとなった。
掃除機をかけて、いらない箱を捨てて、溜まった書類をあさっていたら、学生の頃の授業用資料が出てきた。

思わず読んでしまう。こういうことをすると掃除ができなくなってしまうのはご存じの通り。

どうやら政治学の授業で扱ったテスト問題のようだった。

 (問)あなたはとある治療薬の投与を任された人となった。その治療薬は致死率100%の病気を治療するための貴重な薬品である。しかし、手元には治療薬が残り一つしかない。以下に当該病気に冒された4名の患者を挙げる。そのうちの一人にあなたは治療薬を投与しなければならないとき、誰に投薬するかを選べ。また、その際に選んだ基準や理由などを付し、説得的に論ぜよ。

〈患者リスト〉
・A:20歳、男性、大学生、医学部所属
・B:10歳、女性、小学生
・C:38歳、男性、現在殺人の罪で服役中
・D:78歳、女性、平和活動でノーベル平和賞の受賞履歴あり

先生はこの問題をどうやって採点したのだろう?
この問題は自分が誰をどのように選んだかが露骨に表れるため、答案作成中に自分の偏見と向き合うことになるという、書き辛い試験だったことを思い出す。
誰を選ぶか、誰を選ばないかが結果的に命の選別をしていることになるという、意地の悪い問題なのだ。
いろいろ考えるのが面倒なので、「くじで決めたい」とも思う。これも一種の公平さを保つ方法の一つだけれど、そんなもので決めていいものかと、また悩ましい。(ちなみに、公平性の観点から「くじで決める」方法は、答案的にはアリだったと思う。ただし、説得的に論じられるのならば話だけども。)

 さて、何を捨てるかの基準はどうやって持ったらいいかの話については単純で、ある一定の期間使わないものは捨てればいいと決めれば良い。

・・・それができれば苦労しない。
このプリント、どうしようか・・・。捨てるのは、なんだかなぁ、寂しいなぁ。
ふと思い返してパソコンの中を見る。プリントのデータがバックアップで取ってあった。それなら安心だ、と言って捨てることにした。

これは本当に捨てたことになるのか?まぁ、いいか。

選べないなら、選ばないような選択をする、という方法論があって、そんなことは日常茶飯事だと知っている。

そんなことをしているから、捨てられないんだろ!

捨てるの、難しい。そう思う、日曜の夕方ごろ。

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